就活では、企業が学生に対して内定を条件に他社の選考を辞退させる「オワハラ（就活終われハラスメント）」 が問題視されています。

「内定をもらったけれど、本当にここで決めていいのか迷っている…」
「他社の選考を受けたいのに、企業から強く引き止められている…」

このような状況に陥ると、就活の選択肢が狭まり、本当に自分に合った企業を見極めることが難しくなります。

本記事では、オワハラの実態やよくあるケースを解説し、適切な対処法を紹介 します。オワハラに流されず、自分の意思でキャリアを選択できるよう、正しい知識を身につけましょう。

オワハラとは？就活で問題視される強要行為

就活オワハラの定義と近年の傾向

オワハラ（就活終われハラスメント）とは、企業が内定を出した学生に対し、他社の選考を辞退させたり、強引に承諾を迫ったりする行為 を指します。近年、人材獲得競争の激化や、早期選考が進む中で、この問題が増加傾向にあります。

特に、以下のようなケースが報告されています。

• 内定を承諾しないと「他の候補者に枠を譲る」と圧力をかけられる
• 他社の選考状況を執拗に確認される
• 内定承諾書の提出を急かされ、「すぐに提出しないと取り消しになる」と言われる

企業側は早く人材を確保したいと考えていますが、学生には自分に合った企業を選ぶ権利があります。強引な引き止めに応じる必要はありません。

なぜオワハラが発生するのか？企業側の背景と目的

オワハラが発生する理由として、企業側の採用活動における事情 が関係しています。

• 人材確保の競争が激化し、早期に内定者を確定させたい
• 辞退者が出ると追加の採用コストがかかるため、引き止めを強化する
• 特定の学生に強く期待を寄せているため、離脱を防ぎたい

しかし、企業が内定者の進路選択を制限することは、学生のキャリア形成に悪影響を及ぼすだけでなく、法的にも問題となる可能性があります。

学生が遭遇しやすいオワハラのケース

内定辞退の禁止を強要される

オワハラの中でも特に多いのが、内定辞退を認めない、または辞退を極端に引き止めるケース です。本来、学生には内定を承諾するか辞退するかの選択権がありますが、企業側が辞退を妨げることで学生の意思決定が制限されることがあります。

具体的には、以下のような言動が見られます。

• 「辞退すると今後のキャリアに影響が出る」などと脅される
• 「内定承諾後は辞退できない」と契約書に署名を求められる
• 辞退を申し出た際に上司や役員レベルの社員と面談をさせられ、長時間引き止められる

こうした行為は、学生の選択の自由を奪うだけでなく、企業イメージの低下にもつながる問題 です。

他社の選考を受けないよう圧力をかけられる

企業が「他社の選考を辞退するよう求める」ケースも、オワハラの一つです。特に、早期内定を出した企業が、学生の入社意欲を確保するために行うことが多く、強引な説得や心理的圧力が伴うこともあります。

• 「他社を受けるのは裏切り行為」と言われる
• 「競合他社を受ける場合は内定を取り消す」と脅される
• 面接時に「すでに他社の選考を辞退しているか」を確認される

内定が出ても、他社の選考を受け続けることは学生の正当な権利です。企業の圧力に負けず、自分に合った企業を冷静に選ぶことが重要 です。

過度な内定承諾を求められるケース

一部の企業では、正式な内定通知の前に承諾を求める ことがあります。本来、内定は労働契約に関わるため、企業側にも責任が伴いますが、内定通知前の段階で「内定承諾書」や「誓約書」への署名を求められる場合があります。

• 「他社を受けないと約束するなら内定を出す」と持ちかけられる
• 「〇日以内に承諾しないと内定取り消し」と急かされる
• 「正式な内定通知は後日出すので、まずは承諾だけしてほしい」と言われる

このようなケースでは、企業の都合で承諾を強要される可能性があるため、慎重な対応が必要 です。

就活オワハラに遭遇した場合の適切な対処法

証拠を記録し、冷静に対応する方法

オワハラを受けた場合、まず企業とのやり取りを記録することが重要 です。強要行為があったことを証明できるように、以下の方法で証拠を残しましょう。

• メールやチャットのやり取りを保存する
• 面談や電話での発言をメモに残す（日時・担当者・発言内容を記録）
• 内定承諾書や誓約書の内容を確認し、必要ならコピーを取る

証拠を確保することで、企業に対して冷静に対応できるだけでなく、第三者に相談する際にも客観的な証拠として活用できます。

キャリアセンターや専門機関への相談を検討する

オワハラを受けて困った場合は、大学のキャリアセンターや専門機関に相談するのが有効 です。就活支援の専門家が、適切な対応方法をアドバイスしてくれる場合があります。

相談先の例

• 大学のキャリアセンター（就職活動のサポート窓口）
• 厚生労働省「新卒応援ハローワーク」（就活生向けの相談窓口）
• 労働局や労働基準監督署（法的な問題がある場合の相談機関）

一人で抱え込まず、周囲の支援を活用することで、冷静に状況を整理し、適切な対応を取ることができます。

SNSでの発信や法的措置の可能性を知る

オワハラに関する情報をSNSや掲示板で共有することで、同じような状況にある就活生と情報交換ができる場合があります。また、法的に問題のあるケースでは、弁護士や労働問題の専門家に相談する選択肢もあります。

ただし、SNSで企業名を公開するとトラブルになる可能性があるため、個人が特定されない範囲で注意しながら情報を発信することが大切 です。

オワハラを受けないために事前にできる対策

企業選びの段階でオワハラリスクを避けるポイント

オワハラに遭わないためには、企業選びの段階でリスクを見極めることが大切 です。以下の点を意識して、慎重に企業を選びましょう。

• 採用情報や口コミをチェックする（「内定辞退を認めない」「他社選考を妨害する」などの評判がないか確認）
• 説明会や面接で企業の雰囲気を観察する（過度に内定承諾を迫る発言がないか注目）
• 早期選考や内定承諾期限が極端に短い企業に注意する

企業の採用方針を事前に把握し、違和感を覚える場合は慎重に判断することが重要 です。

面接で違和感を感じたときの判断基準

面接時に「他社の選考状況をしつこく聞かれる」「内定をすぐに承諾するよう圧力をかけられる」などの対応があった場合、オワハラの可能性があるため注意が必要です。

• 「他の企業は受けていませんか？」と確認される（選考の自由を制限する意図がある場合がある）
• 「内定を出したらすぐに承諾できますか？」と強要される（承諾のタイミングを急かされるのは要注意）
• 「内定を辞退したら今後のキャリアに影響する」と言われる（圧力をかける発言には慎重に対応）

面接中に違和感を感じたら、すぐに承諾せず、企業の対応を冷静に見極めることが大切 です。

まとめ！オワハラに流されず、自分の意思でキャリアを決めよう

就活オワハラは、学生の進路選択を制限し、不本意な就職を強要する深刻な問題です。しかし、学生には自由に就職先を選ぶ権利があり、企業の圧力に従う必要はありません。

以下、オワハラへの対応で大切なポイントです。

• 内定辞退や他社選考の自由は学生にあると理解する
• 証拠を記録し、冷静に対応する
• キャリアセンターや専門機関に相談する
• 企業選びの段階でオワハラリスクを見極める

オワハラに直面した場合は、一人で悩まず、周囲の支援を活用しながら適切に対処することが重要 です。自分のキャリアを企業に決めさせるのではなく、主体的に選択できるように準備を進めていきましょう。